緩和ケア病棟での看護師の役割

緩和ケア病棟で働く看護師には様々な役割があります。
患者やその家族に対してのケアをはじめ、一般病棟と緩和ケア病棟間の移動に関わる引き継ぎや、チームとしてケアする際の中心的役割を担ったりと、多くの役割があります。
緩和ケアでは、痛みや苦しみを少しでも軽減し、患者や患者の家族の精神的ケアをメインに行います。
看護師の仕事は多岐に渡る一方で、痛みを軽減するためには鎮痛剤や麻酔薬などを用いて症状を抑えるなど、できる治療は限られています。
こういったことから、新しい医療知識や技術の習得を希望している看護師の場合、緩和ケア病棟で働くことに焦りを感じる者もいるようです。

緩和ケア病棟では、迫りくる死に恐怖を抱き、その不安から自暴自棄になる患者もいます。
不安だけでなく痛みのつらさから看護師に対しても暴言を吐いたりすることもあります。
穏やかな日々を過ごして欲しい、痛みや不安などから少しでも解放されて欲しい、と願っても看護師も感情が揺さぶられたり自己嫌悪から落ち込むこともあります。
しかしこのような状況下で得る多くのことは、他の科での仕事や、今後医療に関わる上で大きな経験となります。
少しの変化でも見逃さない洞察力やチーム医療に関わることで得る協調性、何よりもつらい日々を患者と共に過ごしてわかる多くのことは今後の看護に大きな影響を与えるものです。
そのため、緩和ケア病棟だからといって焦る必要はまったくありません。
しっかり患者と向き合い、優しく寄り添うことができる看護師として成長することも十分可能なのです。